講演会

「ロングライフデザインについて 深澤直人×ナガオカケンメイ」 2

longlifedesign

第2部 深澤直人とロングライフデザイン

深澤さんのデザイン哲学に「WITHOUT THOUGHT」という考え方があるのは知る人ぞ知るところ。今までは「考えない」なんて訳されてきてましたが、最近割としっくりくる言葉を見つけたそうです。

「WITHOUT THOUGHT」 → 「思わず」

思わずやってしまうこと、なにも思わずに自然にしてしまう、などの意味あい。考えないで行動してしまうこと、自然な動作とでも言うのでしょうか、「自然な行為」と言ったほうがいいかもしれません。強引に繋げて言ってしまうとこんな感じでしょうか。
「ヒトが生活していく中で思わずやってしまう自然な行為」
こんなことをデザインを考えるベースにしているという話から第2部は始まりました。

【カラダに聞く】

参考になったのはデザインでカタチを決めていくときの確認の仕方。それは「気持ちに聞く」のではなく「カラダに聞く」ということ。「こうしたほうがカッコイイかな」というように気持ちに聞いてデザインしていくのではなく、カラダの使い方に不自然なところはないか、無理な姿勢で使っていないか、余計な力がかかってないか、とカラダに聞いてデザインしていくとロングライフデザインに近づいていくそうです。
とはいえ「思わずな行為」を意識するのは相当に難しい。なんせ普段は意識することなく考えないでやっていることなので、よほどのことがない限り、ただただ流されていってしまうものだから。そこでひとつのキーワードをあげていました。

「リアライズ」

ちょっと動作を止めてみることです。カッコイイかな、などの気持ちに紛らわされることなくカラダに聞くためのコツなのだそう。
普段からリアライズを意識していればどこかで面白いことに気がつくかもしれないですね、やってみようと思います。
これは特にロングライフデザインに限ったことではないということも言ってました。特にインタラクションデザインという分野にも有効だといいます。たしかに、ユーザーとの関わりをデザインしていくのだから、ユーザーが無意識に思わずやってしまう行為に使いやすさや、効率的な情報伝達のたねのインターフェースのヒントが詰まっていそうです。

切りが良いからあともう1回にわけよう。

「ロングライフデザインについて 深澤直人×ナガオカケンメイ」 1
「ロングライフデザインについて 深澤直人×ナガオカケンメイ」 3

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