小惑星探査機「はやぶさ」プロジェクトのプロジェクト・マネージャー川口淳一郎さんの著書『「はやぶさ」式思考法』の出版を記念した講演会に行ってきました。新宿の紀伊國屋ホールが会場。平日の19時開演なのに、チケットを売り出してから間もなく満員御礼になってましたねー、すごい人気です。
すかさず申し込んでおいてよかった。
ちなみに講演料は1000円。
お客さんの年齢層は高めでした。やはり講演時間を考えると仕方ないのかも。。。でも学生がもっときてもいいと思うんだけどなあ。自分はなんとか休日出勤分の振休で都合を付けてみました^^
川口pmのトークは初めて聞きました。すごく聞きやすいですね、ユーモアもあって。講演当日着ているジャケットがたまたま著書の表紙と同じだったという、話の切り出しなんかすごく自然でした。
話はそれほど難しくないので、科学が苦手な人でも全然ついていけます。
あの回収カプセルは20キロちかくあるとか、
サンプルキャッチャーは特別なカタチをしているとか、
採取した粒子は花粉と同じくらいの大きさだとか、
へー、と思える簡単な話から始めていたのですごくとっつきやすいです。
サンプルリターンは地球の出来方を知る方法、地震や気象の手がかりをつかむ方法といったことが簡単に解説されていきます。
このミッションがどんなことを狙っていたのかを知るのはとても勉強になります。イトカワに限らず、小惑星は、太陽系の昔の姿を伝えるものだと聞くとロマンを感じてしまいますねー。
はやぶさのような世界初がつまった新しい独創的な科学技術の発信が、未来をつくる。という言葉が印象的でした。
はやぶさは、科学よりも技術の実証に重点を置いているという情報も知っておくと見方が変わるかもしれません。
技術の話題で驚いたのは、はやぶさが惑星間航行につかったイオンエンジンの出力が1円2枚くらいの重さの出力しかないというもの。ものすごく繊細。
川口pmが驚いていたのは漢字の「隼」という文字。なんとなく「はやぶさ」に似ている、という(笑)
実際確かに似ていて、サンプルホーンはあるし、2枚の羽、イオンエンジンも4発積んでいる(笑) こういう柔軟な見方、必要ですねー(笑)
後半は、著書の思考法についての話がありました。
人材育成には本当に力を注いでいるみたいですね。
「こうすればできる」という文化に囲まれている仕事場はものづくりには最適な場所。そこで育まれた思考法は今の川口pmの基礎を固めたのでしょうね。
勉強する上で心がけるのは、教科書には過去しか書いていない、ということ。
座学では不足だということですか、やっぱり実践が一番!
Twitterでつぶやきながら講演を聴いていたのでたまに良いことをフォロワーさんに教えてもらえることがあります。
@megumint_mさんには川口pmの名言を教えてもらいました。
座学に関しては、以下のようなという言葉があるそうな。
『教科書や座学で学ぶことはそれ以上を超えられない。触れたことのない場所、環境が大切』
他にも今回一番心に残った言葉は「運を実力に変える活動が大切」だということ。はやぶさもかなりの運が重なったのは事実だろうけど、それを拾うためには事前の準備や、努力を怠らなかった。@megumint_mさんから教えてもらった言葉は以下です。
運が転がるのはコントロールできないが、運を拾うのは当事者の努力であり、実力である』
幸運が訪れるのを待っているだけでは決して運はやってこないんでしょうね。努力や活動をしているからこそ、運を味方にできる。ほんとうにそう思います。
いい講演会でした。またどこかで川口pmの話を聞きたいと思いました。それまで『「はやぶさ」式思考法』をじっくり読んで実践していこうと思います。
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