D&DEPARTMENTが主催する勉強会に参加してきました。勉強会は11/10だったのでちょっと前のことになりますね。11月23日から25日まで東京ビックサイトで開催される「グッドデザイン賞受賞発表展」に関連した勉強会になっていて楽しかったです。
もちろんヒカリエ8階で開催されている「47 GOOD DESIGN展」にも関連していますよ。
展示会にもいってきたので以下にアップしてます。
講師は公益財団法人日本デザイン振興会の矢島進二さん、聞き手はナガオカケンメイさん。和んだ空気感のままグッドデザイン賞ってそもそもなんだろってところから話しははじまりました。
グッドデザイン賞ってなに?
グッドデザイン賞は、誰が一番かを決めるようなただのコンクールではなく、デザインを広く伝える運動。そして多くの人たちに使ってもらうことを目的にしている活動でもあります。
日本の消費者のデザインを観る力を底上げする意味もあるんですね。
グッドデザイン賞の中でも1980年からはじまったロングライフデザイン賞は、ちょっと特別な賞になっています。当時は発売してから10年以上たつものが対象だったりと、かなりきつめの受賞制限があり、バブル期にできた賞としては画期的な考え方で先見の明があったといえます。社会的、文化的価値がある賞だと思います。
ロングライフデザイン賞これまでに880件あるそうですね。
今度から「ロングライフデザイン賞」にはぜひ注目です!
グッドデザインの5つの定義
- 人間
- 本質
- 創造
- 魅力
- 倫理
もの・ことづくりを導く創発力
現代社会に対する洞察力
未来を切り開く構想力
豊かな生活文化を想起させる創造力
社会・環境をかたちづくる思考力
グッドデザイン賞選考の4つの視点
- 身体的視点
- 生活的視点
- 産業的視点
- 社会・地球環境的視点
グッドデザイン賞ってどれくらいあるの?
56回目を向かえて、これまで39152点のグッドデザイン賞がうみだされてきたそうで、予想よりもかなり多いです。
今年2012年は、3132件の審査をして702社が受賞、合計は1108件。数字を見るとかなり多い印象だけど、全体のクオリティを上げるためにはある程度のボリュームが必要だという話しには納得です。
そのおかげかGマークの認知率は約88%もあるそうですよ。
多い印象ですが、実際は応募者の約65%は受賞できていないという現実もあるようです。そう考えると審査は厳しいのでしょう。審査落ちした企業からクレームもあるというのですから狭き門と言ってもいいのではないでしょうか。
グッドデザイン・トリビア
たいへんわかりやすい話で楽しい時間を過ごせました。そんな中で気になったトリビアをまとめます。
- Gマークはデザイナー亀倉雄策さんデザイン
- グッドデザイン賞設立当初は国が運営していた
- 2012年の審査員は68人
- 今年は鳥取と鹿児島は受賞がなかった
- グッドデザイン賞は世界ではまだまだ知名度が低い
- Gマークを使うのは有料!
- グッドデザイン賞の取り消し基準はある
大御所のデザインだったんですね!
国の事業だったんですね!?
想像よりも多いです。まあ3132件の審査をしなければいけないのでこのくらいの人数になってしまうんでしょうね。
逆に考えるとそれ以外の都道府県にグッドデザイン賞がうまれているということ。
世界にむけてプロモーションする必要はあるでしょうね。
これはびっくりですよね! あのマークをwebサイトに掲載するとか商品のパッケージにシールを貼るとかプロモーションにお金がかかるということです。1枚いくら、というやり方が基本だそうですが、NPO法人は無料にするとかの割引制度はいろいろあるそうです。
Gマークくらい無料で配ればいいと思いますが、この「Gマーク使用料」も「グッドデザイン賞」の運営に使われているということを忘れてはいけません。必要なことなんですよね。
一度受賞したからといってそれが取り消されないということはないそうです。ですが、これまでに取り消された前例はないとのこと。
今後の目標
最後にナガオカケンメイさんも含めて、今後の活動について話しがありました。要約すると以下になります。
- ナガオカケンメイさん
- 矢島進二さん
日本各地のデザインに対する温度差を埋めたい。
海外への影響力を高める。
久しぶりにものすごく楽しいためになる勉強会でした。
デザインに対する興味が一般的に浸透してきているのか、会場は立ち見がでるほど。グッドデザイン賞の活動が実を結んできていると感じました。
プレゼン時にでてくる昔のグッドデザイン賞には懐かしさを感じつつも、いい商品があったよなあっていう空気感を会場の人達と共有してました。
グッドデザイン・エキシビジョンの無料招待券もいただけるという太っ腹な勉強会でした。