日常

「ニッポンのデザイナー展」ギャラリートーク1

2/10の土曜日、
「ニッポンのデザイナー展」の関連イベントがあった。
セミナーに引き続き、今度はギャラリートーク。
今回は、アートディレクターの秋田寛と粟辻デザインの粟辻姉妹。
デザインへのこだわりなどを聞くことができた。
【粟辻姉妹(粟辻美早・麻喜)】
女性のみのデザインオフィスだそう。
伝統のあるものは、その歴史感を大切にしてデザインしているところが好印象。
例えば、酒蔵などで代々使われている紋をリファインしてロゴマークにするなど、いいもの、伝統として伝わっているものを今に活かすという手法。
デザインしていくなかで心がけていることは、自分たちがそれを本当に作りたいかどうか、自分が好きになれているか、ということらしい。
そして、日々の生活を単調なものにはしないこと。より道をすることがいいアイディアを産み出すコツだともいう。
やさしさ、エレガントさがにじみでるようなデザインの数々は、女性のみのスタッフで構成されたオフィスゆえなんだろうか。
【秋田寛】
メッセージ性の強い直球の抽象デザインが多かった。
だからこそ、それぞれインパクトが強いんだろう。
デザインするうえで気をつけていることは、
クライアントの着地点と自分がやりたい着地点をまず明確に押さえること。
もしも差違があるなら、最終的にはどっちにもっていくかをよく議論することが大切だという。その中間地点という結論が一番最悪の結論だとクギをさす。
バスケットボールのピボットのように、軸となる考え方さえ押さえておけば、もう一方の足は好きなように動かしたっていい、という考えも持っているようだ。
そして、良いデザインをするには、現時点で出来るかぎりおいしいものを食べて、出来るかぎり快適な生活を心がけるべきだ、と。つまり、良いデザインをしたければ、良き生活者であれ、ということ。
どの方も自分のスタンスをはっきり持っているようで、筋の通った語り口が気持ちいい。
この展覧会の関連イベントは始まったばかり。
次回からも、また楽しみだ。