展覧会

マイケル・ヤマシタ写真展

Michael yamashita 1

愛読書の『ナショナル・ジオグラフィック』の契約写真家だということで観にいってきた。
マルコ・ポーロの東方見聞録を追体験するような旅の写真がズラリ。
文化的なものを伝えるためのいい記録。

風景だけの写真はあまりなく、どこかに「人」が写りこんでいる。
この「人」がポイントになっているのだろう。
写真を観るときに一番先に眼が追うのは大抵「人」だといわれている。そのなかでも顔、眼に惹きつけられる。これは赤ちゃんでもそのようになっているのだそうで、生存のために埋め込まれている。

これをふまえると、人の眼を惹く写真を撮りたければ、まず「人」をいれる。
特にその表情もとらえる。
当り前のようではあるが、意識して撮影するだけで写真は変わってくることだろう。

Michael yamashita 3

ただし、だ。なんでもかんでも「人」をいれればいいということではない。
「人」をいれるのにもなぜその「人」を構図にいれるのか、その構図にはどんな関係があるのか、また、その「人」はなぜそこにいるのか等を考慮しなければならないだろう。「人」は、写真を観る人にとって自覚するしないに関わらず強力なメッセンジャーになる。影響がつよいのだ。

マイケル・ヤマシタは、「人」の使い方がうまい。風景を伝えるにも「人」を入れ込む。文化を伝えるために「人」を使う。
どんな写真展でもそうだが、「人」に注目して観るのもおもしろいだろう。そして、必ずなぜこの「人」なのか、この「人」がいるのといないのとではどんな違いがあるのか等を考えてみるとよい。できれば言語化するのが写真術の上達にも繋がることだろう。

Michael yamashita 2

展示されている作品はでかい。展示ともなると四切、六切が相場だが、とんでもない。なかには両手を広げたくらいの大きさのものもある。
展示品はフィルムをスキャナでデータ化して大判プリンターで出力したものだ。多少の荒さはあるものの迫ってくるものがあった。

ナショナルジオグラフィック NATIONAL GEOGRAPHIC.JP
プロの撮り方「マイケル・ヤマシタ」