留学

日本のデザインって?

church

日本のデザインが気になる。
デザインといってしまうとその範囲は非常に広い。カタチあるものは当然、今ではカタチのない情報までを含んで多岐にわたるようになった。
個人的にグラフィック・デザインという分野の周辺が気になる。
この夏、時間をとってロンドン近郊に留学した。その時もテーマとして「グラフィック・デザイン」は常に頭のすみに置いていた。日本のデザインの特徴を知るには1度日本を離れて外から観るのがいい方法だという考えもあってのこと。
ロンドンにも電車で20分の距離だから、でかいミュージアム、ギャラリーはほとんど観にいくことが出来た。ヨーロッパのグラフィック・デザインはどんなものか楽しみにしていた。
が、思っていたほどスゴクない。もちろん、滞在が1ヶ月半という短い時間だったし、この眼で確認した範囲での結論だけど。
ちなみに、「アート」と「デザイン」はまったく別ものと考えている。
「グラフィック・アート」と「グラフィック・デザイン」もまったく別ものだ。
街に張ってあるポスターの類を観てもヤボったいし、たいして面白くなかった。
大英博物館でたまたま日本画の特別展示をやっていて、覗いてみてびっくり。浮世絵の美しいこと!空間の取り方がすばらしく、絵と文字のレイアウトが絶妙なバランスで成立している。コレにはまいった。
これでハッキリした、「グラフィック・デザイン」に関しては日本が上だ。
ただ、空間のデザインに関してはやっぱりヨーロッパはスゴイ。
イスをはじめとしたプロダクト・デザイン、建築などなど。
空間や空間に関するデザインはおもしろいものがたくさんあった。いろんな街の教会にいく機会があったけど、それぞれの教会の空間がどれも印象深い。空間が広がっていくようなデザインはすばらしいし、細部の細工もいっさいの手抜きナシ。むしろこの細部があってこその全体だ。
書店も何軒もめぐってみた。
それこそデザイナー御用達の書店も、だ。
当然「グラフィック・デザイン」に関係する本を仕入れるためだった。が、がっかりすることばかり。どうも「グラフィック・デザイン」の本が見あたらない。アートや建築、プロダクト・デザイン等の本は充実しているんだけど。
あったとしても『JAPAN Graphic』などというような日本のデザインについての本がちらほら。
やっとみつけても、それはタイポグラフィックについてのもの。これじゃない。
こんな経験から、現時点では
「グラフィック・デザイン」はヨーロッパよりも日本が上だ。
という結論を自分の中でだした。
では、なにがそう思わせるのか。
日本のグラフィック・デザインの特徴ってなんなのか。
これがわかれば世界に通用するデザインができるんじゃないか、と大胆にも思った。
「日本のグラフィック・デザインはコレだ」と言ってみたい。
「この部分が日本のグラフィック・デザインなんだ」と言えたらおもしろい。
そのヒントとなる本をひとつ読み終えた。
明日ゆっくりと文章にしてみようっと。