好きなデザイナーのひとり、深澤直人。
無印良品の換気扇のような壁掛けCDプレイヤー、か携帯電話のインフォバーをデザインしたプロダクト・デザイナーといえば「ああ、あの人」ねと言うほどに有名だ。
その人がデザインに対する思いを綴っている本で、デザインにたいする考え方として共感できる部分がかなりあった。
やっぱりプロダクトデザイナーということもあり、グラフィックデザインとは少し違う考え方のところはあるけど、根本的なデザインに対する思いは熱いものを感じた。
共感できる部分を整理するために少し抜き出してみた。
・人間とものと環境の間に存在する関係の線で、その線が形づくったものの輪郭がデザインの輪郭となる。
・空間を写真に撮るということは、そこに存在している圧力みたいなものを撮るということだ。
・このものが「ある」ことが前提だとすると、もう一方との関係というのはおのずと決まってくる。相互に力関係があるということ。
・ものの適正な姿や位置は、その周りの見えない力の関係によって成り立っている。
・その人の生き方やその生き方が現れる行動、からだの動き、発声、目の動きなどのすべてが、まとまって「張り」という言葉で表されるのではないか。
・優れたデザイナーたちは、既にものを多面的に捉え、生活の中の微細な関係の美を探し出し、デザインに落とし込んでいる。
・人間は、自分で決めて働いているのではなくて、環境に動かされている。
・それぞれの相互の関わりが見えるようになって初めて、美の関係をつくり出せるようになる。
・前提を整備しなければリアルな輪郭は見えない。デザインに行き着くまでのナビゲーションが必要なのである。
・デザインは脚色や演出ではない。
・デザイナーは本当に正しいデザインをするために、仮に依頼主と意見がくい違ったとしても、丁寧に正しいと思った意図を説明しなければならない。
・ピラミッドは頂点から組む。
・バランスがとれているからこそ、過激な崩しができる。
・人間が生きるために使っている環境の中にあるすべての情報を自分で自覚できるということがデザインができるということです。
・「これだけあればいい」という思いは、生きる上での強さを与えてくれる。
・「欲しい」という感情は自分を不安にさせる。
・遊ぼうと思って働かないと、働こうと思って遊ばないと、その価値はわからない。
と、面白いことを言っていて、特に仕事に対する姿勢にはハッとさせられた。
これから、ちょっと意識してみよう。