日常

「NIPPON VISION」

「日本」というブランド意識を失いかけたものづくり日本企業と「ジャパンブランドの売り方のデザイン」の実践を手がけるD&DEPARTMENT PROJECTがしかける「NIPPON VISION」。
日本中にちらばる伝統工芸のすばらしさはいまさらいうまでもないけど、その「売り方」と「デザイン」には疑問を感じていた。売っている場所はごく限られているし、値段も高い。デザインも現代の生活にそっていなかったりする。これでは、せっかくの技術がもったいない。特に日本の美術品は多くが「道具」であるという事実を考えても、現在の日本のプロダクトデザインはあくまで「伝統工芸品」という域をこえていないのではないか。もっと生活者に寄り添って、日本の伝統的なデザインスタイルを応用し、その技術力をもってつくり出されるものを見たい。
そこで今回の「NIPPON VISION」というプロジェクトの展示会があるというので行って来た。47都道府県それぞれの地場産業からセレクトされた商品が並べられている。個人的には、まだまだ生活者に寄り添ったデザインではないと思ったけど、これからのプロジェクトが楽しみになった。展示会にもけっこうな人が訪れている。年齢層は若干上だけど、学生らしき人なんかもいるし幅広い。とくにおじさんおばさん夫婦は興味しんしんで楽しんでいた。
自分自身も分野は違えど、同じような意識を持っているから共感できる部分がかなりあった。プロダクトに対してではなく、グラフィックの部分で「日本」の可能性を信じているからだ。
手探りでもいい、こうして実践し続けることが大切なのだろう。
勇気をもらえる、いいプロジェクト。これからがかなり楽しみ。