日常

「さよなら ナム・ジュン・パイク展」

そら

ビデオ・アートの先駆けで、かなり頭のいい人だという印象がずーっとあり、実際に作品を見るのは初めて。
今では派手なグラフィックや、高度なCG技術が連想されるビデオ・アートだけど、パイクの作品はどれもアナログ感漂うインスタレーションだった。
なかでもロウソクを使った作品がキレイだったな。
あの炎のゆらぎとデジタル感があわさったものは、今までにない感覚だった。
映像のみの表現にとどまらず、その空間を意識したものばかり。
映像を映し出すハードそのものも問題にされている、つまりモニター。
モニターの箱のような物質感が、映し出される映像の存在感と混ざるのはおもしろい。
今ならば、液晶テレビのような「薄いモニター」を使った映像空間をどのように創るかを観たい。
撮影したものが、即座にモニターに映し出されるという同時性に注目していたようで、ビジュアル作品にもテーマとして扱われるほど。
ヨーロッパ、日本、アメリカを巻き込んでの同時テレビ番組中継は、歴史に残るものだろうな。
時間軸のコラージュを意識した表現も時代の先をいっていたようだ。
展覧会を記念して出版した本には、パイクと親しかった人たちが記事を寄せている。
読んでみると、その先進的な考え方よりもその人柄について語っていることが多く、パイクの別の面をしることができた。
かなり自分の考え方を強く持っている人で、気配りも細かくできる温厚な人柄だったそう。