英語の本はえらい時間かかるなあ。
やっと読み終わった。
視覚的にきもちいいプロポーション、縦横比1:1.618の黄金比をもつ長方形「黄金矩形」を筆頭に紙面サイズの規定「√矩形」の解説が続く。後半は実際のポスターなどのグラフィックから建築、プロダクトまでのデザイを例にとってtことん図解し、解説してくれているから見応えもある。
植物の生成過程などの自然界に多く見られる「フィボナッチ数列」も黄金比に結びつく現象として知られている。黄金比はそもそも、内部に限りなく自己相似性をもち、外部には自己繁殖性を構成的に数理的に同じプロポーションで増殖のできるカタチをもつから自然界との密な関係も当然といえば当然か。
ヒトのプロポーションもこの黄金比とほぼ同じ比率だそうで、ヒトが住む建築物もこの比率で構成するという考え方は、なるほど、合理的だと思った。
自然界にもこの比率があふれているなら、その自然界に暮らすヒトの目が「美しいもの」と判断する基準になるのも不思議ではないなあ。
確かにこれ、合理的な考え方だと思うし、いいシステムだ。ただし、こればかりに頼っていては、ものすごく面白いものは産まれてきそうにないとも思う。視覚的に美しくても、精神に訴えるようなデザインもある。
ヨーロッパのグラフィックに衝撃を与えた日本のグラフィック・デザインを代表する「浮世絵」なんかがいい例。
システムとしての合理性と精神的なものをあわせたグラフィックが面白いんじゃないかなあ。