展覧会

「ミッション:フロンティア 知覚の宇宙へ」展

Mission frontier 1

ルネサンスのころ、確かに科学と美術は重なっていた。それが長い間、一般的には分断されたままだったのが、ここ最近でようやくサイエンス・アートとして認識されてきたようだ。コンピューターのインフラが整い、情報処理技術の高度化・高速化で科学の世界の「可視化」が容易になったことがトリガーとなり広まっているのだろう。

Mission frontier 2

広大な宇宙へと眼を向けるのは楽しい。誰もが一度は宇宙を思うのは、そこにロマンがあるからだ。宇宙の始まりや宇宙の生命、ブラックホールという未知の存在は心躍る魅力がある。だからこそ哲学にもなってきた。
今回はこの「宇宙」というマクロな対象だけではなく、ミクロな身体や細胞という「インナー・スペース」も同時に扱っているところが、いい。

Mission frontier 3

絶えず身体を突き抜けている「宇宙線」のシャワーは、LEDの点滅でインスタレーションされる。実在する戦闘機に流体力学が織成する「水溶性有機物の衝突シミュレーション」はいつまでも眺めていたい。ヒトの細胞を思わせる形が自己増殖で成長していくプロセスは夢のようだ。

Mission frontier 4

研究者・科学者は、もっと「アーティスト」の側面をだしてもいいだろう、今からでも遅くはない。人に伝えるために研究者・科学者が主催する展覧会が増殖することを期待したい。
サイエンティストもアーティストも「想像力と創造力」がキモなのは同じなのだから。

Mission frontier 5