日常

ブライアン・イーノ「音楽映像インスタレーション展」

花と光

映像と音楽のインスタレーション展が、ラフォーレミュージアム原宿であった。ブライアン・イーノの集大成だそうで、今まで観た映像系インスタレーションではピカイチ。
ブライアン・イーノは、「ライト・ペインティング」「ビジュアル・ミュージック」という単語で語っている。テレビという映像文化は、物語・情報のためのテレビという考え方が中心だったが、絵画を見せてくれるものだと考えてみてはどうか、という主張。
パソコンにインストールして楽しむ作品で、展示会場ではいくつもの液晶テレビに出力された映像が列ぶ。
この作品のシステムは、これまでのブライアン・イーノ作品が詰め込まれた箱から4つほどの画像を取り出して合成した画面を出力して「絵」にする。その組み合わせは77000000とおりで、今回のインスタレーションの題名になっている。おそらく、同じ絵を見ることは二度と無い、というのもこの「絵」は常に変化して、違う絵に移行していくから。あったとしてほんの僅かな時間だけ。ただし、この変化はかなりゆっくり。別の絵を見ていて、前にみた絵を振り返ったときに「あれ、変わってる」と気がつくくらいにゆっくり。どこが変化しているか、ゆっくりすぎてなかなか分からないほど。
音楽も癒し系だから、ディスプレイの前で
ぼーっとしてるのが気持ちいい。だめな人はだめなんだろうなこーいうの。
展示会場最後のほうには、大小織り交ぜた液晶ディスプレイがピラミッド型にならべられ、左右下を鏡張りにしたセットがあった。
これが、みごと。
下の鏡でピラミッドになった「絵」は菱形になり
左右の鏡が「合わせ鏡効果」で菱形の絵を左右永遠の広がりにみせていた。
これはインスタレーションでしか観ることできないだろうな。
キレイ、圧倒される迫力もある。
ブライアン・イーノの提案は「家や空間にインストールしてその場の雰囲気を作りあげるものとして」使うというもの。
普段は電源OFFで真っ黒のテレビ画面が「常に変化する絵」にしてみてはどうか、ということ。
いーね、それ。そーいう映像の使い方ってこれからいろんなところででてきそう。ポスターがクルクルとロールスクリーンで切り替わる装置をイギリスで観たことがあるけど、あまり美しくなかった。むしろ切り替わってるところを見ると悲しくなったな、カッコワルイ。
でも、ブライアン・イーノ式ならおもしろそうだ。
いい経験になったインスタレーション展だった。
ブライアン・イーノ 音楽映像インスタレーション展