ロンドンで買った本をようやく読み終わった。
『Grid Systems』というデザイン・システムを解説した本だ。教本としても使えるように編集してあり、図解が多くて分かりやすい。それにしては、恐ろしいほど時間がかかってしまったもんだ。
英語力にがっかり。
ざっとまとめてみようかな。
3×3のグリッドを基本にして解説は進む。
・グルーピング
・余白のコントロール
・4辺の使い方
・オブジェクトのコントロール
・グリッド交点の使い方
・円形オブジェクトの配置
デザイン・エレメントの基本的なコントロールから学び
・Horizontal Composition
・Horizontal/Vertical Composition
・Diagonal Composition
とデザイン・パターンでわけ、具体例を入れながら説いていく。
各要素の関係をよく意識しながらやればそれほど難しくない。
具体例としてあげられている広告のデザインをみれば、各要素は必ずなにかと関係しながらそこに配置されていることが分かる。
「ただなんとなく」とか、「かっこよさそうに見える」とかいう感覚でとりあえず置いてみました、というものはなかった。
すべての要素には意味があり、すごく理論的にデザインされていることに好感が持てる。
もちろん、感覚でデザインすることも大切だとは思うけど、「Grid System」ではシステムというくらいだから理論的に組んでいくことが大切。
「使う色やイメージをしぼり込むことは、写真やテキストの視認性を高めて、観る人が情報へアクセスしやすくしてくれる」という。確かにそうだが、これは伝えたいことが情報のときには非常に有効なんだけど、イメージだった場合は可読性を多少犠牲にしてでも色や写真を駆使して伝えなければならないだろうな。
垂直要素が入ってくると、読むときの視線の動きにも注意を払わなければいけない。垂直に要素を置いたとして、では「上から下」に読ませるか「下から上」に読ませるか、さあ、どうしようかってこと。
答えは、どちらもアリだ。
つまり、他のエレメントとの関係による、というもの。
読者の視線をいったりきたりさせないように、うまく誘導してあげること。そうしないとパッと情報を受け取れないから。
日本の場合はさらに難しくなる。日本語は縦・横どちらでも組めるし、そこに英語も混ざってくるんだから。
回転させるデザインでは、回す前に必ずデザインは完成させておくこと。回してから直せばいいやって考えではいいものはできないそうだ。
回転の目安もいちおうある。角度にして30、45、60度。それぞれの組み合わせでもOKだ。
回したあとは、必ず4辺のいずれかに要素の端っこを近づけることを忘れないようにするのがコツ。そうすることでインパクトが増すのだとか。
おもしろいアドバイスも載っていた。
「デザインするときはマクロとミクロに注意してデザインを進めること」
マクロは、見て一発で理解できるほど強いメッセージを持ったもの。
ミクロは、よーく見ないと分からない程度のデザイン。言われてみればそうかっていうくらい、ほんのちょっとしかけるもの。
この2つを関係づけながらデザインするといいものができるそうだ。
この本はシリーズものだから他にもこれからでてくるんだろうな、要チェック!
次は同シリーズ『GEOMETRY OF DESIGN』も買ってあるから読み進めよう。