日常

『7日間でマスターするレイアウト基礎講座』


デザインは「設計」だというのがよく分かる一冊。
レイアウトの基本を言語化して、その方法を整理している。レイアウトの方法をここまで構造化したことの意味は大きいと思う。
基本中の基本ではあるけど、やっぱり基本をおさえてないと崩せない。
デザインは感性の勝負と思っている人が読むと考え方が変わるだろうな。
だいたいデザインは論理的な部分がかなり多いし、感性だけに頼っていたんでは長くは続かない。感性も大切だけど、まずは基本を押さえたうえで、ということだと思っている。
サブタイトルには「7日間でマスターする」とあるけど、この日数はあまり関係ない。
重要なのは「様式の8要素」と「造形の8原則」の2部構成になっていることだ。
様式はスタイルでありモード。高級感をだしたいのか、カジュアルに攻めたいのかをデザインする側がはっきりとイメージできていないと軸がぶれてしまうことに要注意だ。
イメージがしっかりしているほど、以下の様式を組み合わせて使いこなすことができる。
1:視覚度
2:図版率
3:文字のジャンプ率
4:写真のジャンプ率
5:グリッド拘束率
6:版面率
7:構成の3原則
8:書体のイメージ
造形は見た目の美しさ。バランスのとれたデザインを産むにはこの方法が最低限必要。
1:主役を明示
2:準主役は離す
3:群化(グループ化)
4:あいまいさは不安
5:流れを整理する
6:余白は主役の領地
7:四隅をおさえる
8:版面線を利用する
それぞれ8個に分けたのは理解を促すためだろう。そんな心遣いが、いい。
書かれていることも単純明快、図版も多いのでわかりやすい。
各章の最後には、クイズが用意されており、学んだことの復習をするようになっている。
基本中の基本、とても大切な骨格部分を学ぶには良い本だと思った。
デザインは方法の相互作用から成り立っていることがよく分かるだろう。