日常

「解る&判る&分かる文字組版」

8/5、JAGDA教育委員会セミナー「文字の先と端」の8月講座最終日、モリサワ文字講座「解る&判る&分かる文字組版」に参加した。
活版、写植ときてDTPへという時代をおっての話の流れ。
フォント販売でおなじみ、モリサワから日本語文字組版について基本的な考え方が披露された。
くわしい組版ルールだとかソフトウェアの使い方といった講義ではなく、あくまで基本、考え方にのみ話は絞られていた。
日本語の文字組版は複雑だという話から。日本語の文字は輸入コードを日本モードへと編集していったものだから当然のことだ。漢字、ひらがな、カタカナ、ローマ字が入り交じり、縦にも横にも表記する日本語は世界的にも複雑な文字組版だろう。
まず見過ごしがちなことから指摘。データとして入っている「漢字」について。
漢字には異体字といわれるものがある。それは日頃書籍では目にするかもしれないが、パソコンなどでは通常表示していないもの。電子機器での表記統一のためにJIS規格が決められているため、漢字の旧字体がデフォルトでは表示されないなどのルールが決められているそうだ。詳しくは分からないが、JISが決めたある規格の「文字セット」を使うようになっている。
だから、その使う規格が変わるとたちまち混乱が生じることになる。新しい機器と古い機器で使う文字セットが違うと、一方では表示されても、もう一方では表示されないという事態がおこる。その混乱がおきつつあるのだそうだ。今まで意識したことはなかったけど、winのosがビスタに変わるときに採用した文字セットが新しいものに変わったからだ。つまり、xpとビスタ間のテキストデータのやりとりが正確におこなわれない場合がありうるのだ。
普段は意識しないところだけに、新たな視点をもらえた。
文字そのものの概要をおさらいしたあとに、文字を組んでいく方法、ルールの基本にとりかかる。
書籍などの長文の日本語組版の基本はベタ組。プロポーショナルなツメ組をすると1行の文字数が変わってしまい読みにくくなってしまうからというのがその理由だ。
そして行組版や、禁則処理などの設定、考え方の基本をざっくりと。
デザインのコンセプトやテーマにそって各要素のバランスをとっていくことがデザイナーの役目。メーカーが用意したデフォルトの設定を疑ってみるところからはじめるのがいい、とのこと。
短い時間の中、要点を凝縮してプレゼンは文字組版の枠をざっくり掴むことができたと思う。