日常

「ニッポンのデザイナー展」セミナー2

先日2/22に「ニッポンのデザイナー展」関連セミナーの2回目があった。
主題としては「日本のデザイン(総観1)」ということで、webサイト「空想生」でも知られるデザインプロデューサーの西山浩平、インテリアデザイナーの近藤康夫がゲスト。
まずは、二人がどんなことをしていて、そんな考え方をしているかということを例によって各自のプロジェクト紹介を通して語る。
【西山浩平】
自ら育て上げたwebサイト「空想生活」をメインに、その考え方を語った。
デザイナーの知的資産が「空想生活」を通ることで、形・商品になり、そのロイヤリティによって収入が得られるというビジネスモデル。
「デザイナー個人の発想が資産に変わる」というところがポイント。
クライアントは売り上げがあがる、デザイナーは収入を得ることが出来る。
この両方のメリットを繋いでいるのが「空想生活」というシステムになるわけだ。
【近藤康夫】
感性ではなく、方法論を考えて構成しここまでやってきた。
最近のデザインを細分化する傾向は、好きにはなれないそうだ。
自身も何枚もの名刺を持つようになってしまったと、つぶやいていたのが印象的。
確かに、デザインのジャンルをやたらと細分化してしまうのはつまらないことだと思う。
依頼仕事ばかりをこなすのではなく、やはりデザイナーが提案していくことは大切なことだ、ということで自らメーカーを立ち上げた。そこからメーカーとしての苦労なども見えてきたという。
やはり「デザイナーが提案する」ということはこれから先も意識していかなければならないんだろうな。
その後はトークセッション。
そこでも、おもしろい視点の話がいろいろと聞けた。
要点だけをまとめてみる。
【西山浩平】
社会の周辺の人たち(ユーザー)のクリエイティビティが認められて、社会の中心に進出し始めている。例として「You Tube」。
これからは、個人のクリエイティビティが注目されていくだろう。個人のスキルを今のうちに磨いて準備しておくと良い。
その結果として、個々の知的資産が収入に直結する時代がくるだろう。
今はボーダーを意識する必要はない。建築とインテリア、グラフィックなど、ボーダーはないと強く思えば、ボーダーを超えていける「ボーダレス」の時代。
ただし、強く思い信じ続けることが必要。
【近藤康夫】
デザインとビジネスの関係をもう一度よく考えていくことが必要。
過去の古い時代背景にこだわる必要はない。
最近は特にデザイナーが消費されているのを感じる。
クライアントから言われたことに、うまく答えていくだけではなく、自ら提案していく「提案型デザイナー」が生き残っていくだろう。
これからはオリジナリティが必要。ただ「無から有を創り出す」ばかりではな、既存のものを編集していく能力もふくめたオリジナリティが求められる。