日常

「チャレンジングであること―東京TDCにみるデザインの可能性」

「チャレンジングであること―東京TDCにみるデザインの可能性」と題された『Tokyo TDC Vol.18』刊行&『TDC BCCKS展』開催記念のトークショーが開催された。24日のことだ。メインスピーカーは、青木克憲と松本弦人。
ふたつのトピックについて話は進む。
TDCの年鑑については、そのデザインについて。こういった年鑑にはまったく興味がなかったから話を聞いていて新鮮だった。
まず、その値段に驚いた。6000円もするという事実。しかもそれは安いほうだという。デザイン系の年鑑は平均して15000円くらいはするのだとか。いろいろ参考にできて便利なのだろう。
今回の年鑑はいろんな面で冒険しているそうだ。グリッドではなくランダムに近いレイアウト。小口付近に配置された注釈。縦組みなどなど。これまでの年鑑レイアウトとは違った試みをしているようだ。
なるほど、そういうことかと納得できるこだわりのデザインだ。
次のトピックは「BCCKS」。カンタンにWebの本が作れるサイト、らしい。
まだ一般に向けてオープンしていないが、Preview版をみることができる。12月にはサービス開始予定だという。
本というメディアはとてもなじみが深く、Webと比べても格段に長い歴史を持つ。そのインターフェイスも老若男女問わず対応している。そのためWebに詳しくない者でも何ができるかを直感的に把握できるというメリットがある。たとえブログを知らなくても、だ。
TDCから推薦されたデザイナーがそのサービスを使って作られたWebの本を「展示」しているWebが「TDC BCCKS展」というわけだ。
今回参加したデザイナーにもWebに詳しくない人はいる。が、このサービスで何ができるのかはすぐにピンときたそうだ。
なかなかおもしろいサービスではないかな、これは。
ブログパーツとしても使えるようなので、すでにブログを持っている人は自分で自分のブログ本をデザインして公開することができるということだ。もしも出版社か編集者の目にそうした「Web本」がいい感じにうつれば、実際の出版にだってこぎ着けられる可能性もあるだろう。
実際の出版との違いもコストがかからないなどのメリットだけではないという。しっかりとデメリットもあげて話はすすんだ。
書籍なら書店に列んだ時点ですでに3000部とか、刷られた分のメディアになっているがWeb本はせっかく手をかけて作っても誰もみてくれない可能性すらある。
まあ、メールにアドレスをはりつけて相手におくれば、世界中どこにいてもすぐに見ることができるというメリットもあるけど。
手触り感がないという大きなディスアドバンテージは、世界共通の本というインターフェイスを通じて、見る人の過去の読書経験からくるイメージで多少おぎなわれるはずではある。
このサービスが今後どういう展開をしていくのかはわからないけど、おもしろい可能性は感じる。サービスが始まったらぜひ試してみよう。
BCCKS / ブックス