日常

「グレゴリー・コルベール ashes and snow展」

ノマディック美術館

遅くなったけど、ようやく時間をつくれた。
行っておかないと後悔するだろうと思ったから。
まず美術館の佇まいに見とれた。
なんて大胆でフラジャイルなんだろうと。
ノマディック、遊牧という名の美術館は、展示される作品のコンセプトを体現していてキレイだった。貨物コンテナを利用して組み立てられたことは一目でわかる。そのコンテナの数は152個におよぶそう。コンテナは移動先でレンタルし、会期終了後に返却されるという。なるほど、移動先でその土地のものを使って出現し、また去っていくという仮設性はコンセプトにぴったりだ。
内部は紙管の列柱で大きく仕切られていた。敷き詰められたキレイな砂利や柔らかい照明などもいい雰囲気。
作品がすばらしいのは当然として、その作品にふさわしい展示空間そのものを出現させるという徹底してコンセプトを貫く姿勢が気持ちいい。
和紙に焼き付けられた粒子粗めの写真は、タイトル、キャプションの類はつけられずに展示されている。観る側が自由に作品に入っていけるように、という配慮。
セピア調とは一口にいいきれない色あいと粒子感がよくマッチしていたと思う。
あの吸い込まれるような感じは実際にあの美術館の空間で観なければ分からなかっただろうな。
映像もやはり吸い込まれる感じ、眼が離せなくなるあの印象は独特だ。多くの人がスクリーンに見入っている光景が、その事実を物語っていた。
あの空間と作品が相乗効果を生んでいるんだろう、すばらしいプロジェクトだ。
あれだけ鑑賞者が作品に入っていける展覧会は初めて経験した。

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